
期待される効果
経済産業省は2月6日、日本が新業務項目提案(NP)を行った「家庭用エアコン・HEMSコントローラー間アプリケーション通信インターフェース(AIF)仕様書」が、ISO/IEC合同専門委員会(JTC1)に承認されたため、国際標準開発が開始されることになったと発表した。
日本発のこの国際標準が成立・発行され、家庭用エアコンがこの標準に基づき普及すれば、HEMS(家庭用エネルギー管理システム)の導入が国内外で促進され、世界的な省エネルギーに貢献できると期待が寄せられている。また、国際市場における日本製品の優位性向上や、関連するサービス事業の市場拡大も見込まれる。
さらにこの提案では、家庭用エアコンとHEMSコントローラーを接続する際の相互接続性や信頼性を確保するために、通信プロトコルだけでなく、通信上の機器の動作を含めて基準を定めている。
ECHONET Lite AIF仕様の国際標準化に着手
国内では、エコーネットコンソーシアム(東京都港区)が、センサ類、白物家電、設備系機器などをIoT化し、エネルギーマネジメントや遠隔操作などのサービスなどを実現するために、相互接続可能なホームネットワーク基盤技術の標準仕様策定を進めている。
通信仕様としては、国内外の標準プロトコルとの連携が可能な「ECHONET Lite規格」を2011年に発表。この規格は、2011年に「スマートコミュニティアライアンス 国際標準化WG スマートハウス標準化検討会」にて、HEMSにおける公知な標準インターフェースとして推奨され、2015年に国際標準として承認されている。
また、異なるメーカー間の機器の相互接続性を向上させるために「機器ごとの動作」を規定した、「ECHONET Lite AIF(アプリケーション通信インターフェース)仕様」を策定し、2016年に第三者による認証制度をスタート。ECHONET Lite AIFの使用は、重点8機器(エアコン、太陽光発電、蓄電池、照明、給湯器、燃料電池、スマートメーター、電気自動車)を対象に業界標準が策定され、これらの機器へのECHONET Liteの搭載が定着してきた。
さらに、国内でのさらなるHEMS普及と海外展開を目指すため、海外機器の仕様にも対応した仕様の国際標準化を進めることとした。
今回、重点8機器のうち、家庭内でのエネルギー消費比率が高く、海外でも一般的に使用されているエアコンについて、「家庭用エアコン・HEMSコントローラー間アプリケーション通信インターフェース仕様書」として提案し、国際標準の開発が開始されることになった。