
波長172nmの紫外線を発するエキシマ光を用いたPFASの分解イメージ(出所:ウシオ電機)
電池内部の物質変更で出力改善
産総研はこれまでも湿度変動電池の研究を進めてきたが、電池内部の浸透圧によって水分が移動して自己放電が発生し、湿度変化から得られたエネルギーが無駄になっていた。
今回の研究では、電池内部に用いていた物質をポリマー系陽イオン交換膜から全固体電池などに用いるリチウムイオン伝導性セラミック固体電解質膜に代えたところ、自己放電がなくなり最大出力が68倍に大幅向上した。

電池内部に使う物質を変更(出所:産業技術総合研究所)
湿度変動電池、効率100%発電も可能
出力が上がった湿度変動電池を用いて、小型ワイヤレスセンサーを駆動させた結果、4カ月にわたって動き続けた。従来の湿度変動電池は、発電出力が低かったために電子回路を長期駆動させることはできなかったが、今回の研究で課題をクリアした。
長期駆動により、橋の下や機械の制御盤の内部など、太陽電池が使えない暗部などでも使える可能性がある。
今回の成果を受け、産総研は、開発した湿度変動電池であれば効率100%の発電も理論上可能であるとし、今後は、さらなる高出力化に向けた研究開発を進めていく。

長期駆動に成功(出所:産業技術総合研究所)
【参考】
- 産業技術総合研究所―湿度変化で発電できる「湿度変動電池」の性能がアップ
記事出所: 『環境ビジネスオンライン』
2025年1月29日
出典