産総研、「湿度変動電池」の出力68倍に 暗部でも安定供給可能

パナソニック、完全生分解性セルロースファイバー成形材料を開発

ウシオ電機、光と電気エネルギーによりPFASを無害化 新技術を開発

波長172nmの紫外線を発するエキシマ光を用いたPFASの分解イメージ(出所:ウシオ電機)

波長172nmの紫外線を発するエキシマ光を用いたPFASの分解イメージ(出所:ウシオ電機)

ウシオ電機(東京都千代田区)は1月16日、有機フッ素化合物(PFAS)を、触媒や添加物を使用せず光を用いて分解・無害化できる技術を開発したと発表した。

同社が開発した新技術は、PFASのうち、代表的な物質であるペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)を対象としてもので、多量であっても一定時間で99%分解できるという。

2025年度に実証実験を開始

人体に影響を与えるPFASを巡っては、欧米をはじめ排出規制が定着しつつあるが、その難分解性から除去・無害化手法の確立が喫緊の課題となっている。

PFASの分解方法としては現在、活性炭により焼却する高温焼却処理が検討されているが、吸着した活性炭の輸送のほか、焼却のための燃料やそのエネルギーの消費、活性炭焼却由来のCO2や温暖化係数の高いフッ素系温暖化ガスの大気放出などが懸念される。

こうした中、同社は今回、創業以来開発を進めてきた真空紫外線技術を応用し、PFASを分解・無害化できる技術を開発した。同技術は、波長172ナノメートルの紫外線を発するエキシマランプを用いた光の力に、OHラジカル、水和電子を加えたもので、光と電気エネルギーだけで分解する。

常温常圧での処理や短鎖PFAS分子の分解も可能。分解反応の過程では、想定外のフッ素化合物ができにくく、HF、H+、F-といった分解後に残る最終的な物質は、水酸化カルシウムで最終処理することで、フッ化カルシウムとして別用途への再利用も行える。PFAS濃縮技術と組み合わせることで、さらに高い分解効率が期待できるという。

今後は2025年度に実証実験を開始し、2027年の事業化を目指す。

記事出所: 『環境ビジネスオンライン』 2025年1月20日 出典

産総研、「湿度変動電池」の出力68倍に 暗部でも安定供給可能

パナソニック、完全生分解性セルロースファイバー成形材料を開発