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超高層ビル屋上でプロペラのない風力発電機を実証へ 大成建設とチャレナジー 

垂直軸型サボニウス式風車(左)と横浜三井ビルディング(右)(出所:大林組)

垂直軸型サボニウス式風車(左)と横浜三井ビルディング(右)(出所:大林組)

大成建設(東京都新宿区)とチャレナジー(同・墨田区)は10月23日、三井不動産(同・中央区)の「横浜三井ビルディング」の屋上で、垂直軸型サボニウス式風車(サボニウス式風車)による風力発電の実証実験に着手すると発表した。

市街地に適した新たな創エネルギー技術として注目される同風車を、超高層ビル屋上に設置するのは国内初。風量や発電量など取得データを技術発展に活かし、設置時における課題・要件を明確化する。

市街地に適した新たな創エネルギー技術

チャレナジーが開発する、プロペラがないサボニウス式風車は、限られたスペースで設置可能、全方位の風から発電可能、低騒音・低振動など、市街地に適した新たな創エネルギー技術として注目されている。

今回の実証では、このサボニウス式風車実証機を、「横浜三井ビルディング」(神奈川県横浜市)の屋上に設置し、非常用電源としての活用を検討する。実証期間は2025年4月から2026年3月までの予定。

大成建設、チャレナジー、三井不動産の3社は、この実証実験に関する協定を締結した。3社は、サボニウス式風車の技術開発を通じて、市街地での建物のZEB化、災害時のBCP対応などに貢献していく。

プロペラがない風力発電機で「台風でも発電」

チャレナジーは、世界的にも気象環境の厳しい日本において「台風でも発電できる」をコンセプトに、風向風速の変化に強く、台風レベルの強風にも対応可能な世界初となる「垂直軸型マグナス式風力発電機」の開発に取り組んでいる。これは、気流中で円筒翼を自転させたときに生じる「マグナス力」と垂直軸を組み合わせたプロペラのない風力発電機で、プロペラがないため、強風による故障・事故、破損などのリスクを抑えることができる。

また、近年、都市部での再エネ導入ニーズを受け、丈夫で故障リスクが小さく、発電時の静粛性に優れ、限られたスペースでも設置しやすい小型風力発電機の開発を進めている。この発電機は「災害に強い次世代小型風車」で悪天候時でも安全に運用できる。

サボニウス式風車の特長

昨今、建物のゼロエミッション化に向け、太陽光発電以外の再生可能エネルギー技術の一つとして風力発電の活用が検討されている。一方で、従来の水平軸型プロペラ式風車(プロペラ式風車)には、風車の風切り音や発電モーターの振動などの問題に加え、広い設置面積を要することや所定の風速や風向が安定しないと効率的な発電ができないことなどの課題があった。

これらを解決するサボニウス式風車の特長として次の3つをあげている。

(1)装置の設置に必要な面積が小さく、軽量なため、設置場所の選定や組立が容易
垂直軸で回転するサボニウス式風車は、太陽光発電装置やプロペラ式風車と比較し、設置に必要な面積が小さく、装置本体を3m2程度の限られたスペースに安全に設置することが可能。装置の本体構造を工夫して軽量化を図ることで総重量を290kgに抑え、分割可能な構造とすることで重機を使わずに組立が可能で、設置場所を容易に選定できる。

(2)全方位からの風を受けて24時間連続で悪天候時でも発電が可能
夜間・悪天候時の太陽光発電や風向が一定でない場合のプロペラ式風車など、従来では発電が困難であった条件下においても、サボニウス式風車は安定した発電を行うことが可能。風向の変化や弱風にも対応し、全方位から風を受けて24時間連続して発電でき、また悪天候時にも風車を適切に制御することで継続して発電することができる。

(3)低騒音・低振動で、バードストライクを回避可能
サボニウス式風車は、構造上風切り音が発生しにくく、発電に伴うモーターの振動も小さく抑えられるため、従来のプロペラ式風車で懸念されている騒音・振動の発生が解消され、建物の屋上など市街地での設置が可能となる。また、プロペラ式風車に比べ、鳥から視認しやすく、バードストライクが非常に発生しにくい形状だという。

記事出所: 『環境ビジネスオンライン』 2024年10月25日 出典

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