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東大と京大、有機溶媒使わない「メカノケミカル」でアンモニア合成 世界初 

(出所:東京大学)

(出所:東京大学)

東京大学は10月9日、同大と京都大学による研究グループが、有機溶媒を一切使わずに常温・常圧で窒素ガスからアンモニアを合成することに成功したと発表した。

ボールミルを使ったメカノケミカル反応(機械的な刺激で促進される反応)を利用した合成方法で、溶媒を使わないメカノケミカル条件でアンモニアを生成した事例は世界初となる。エネルギーキャリアとして有望なアンモニア合成の実用化に向けた新たな展開が期待できる。

現在のアンモニア工業生産、CO2大量排出が課題

現在、アンモニアの工業生産には広くハーバー・ボッシュ法が用いられている。この方法では、窒素ガスと化石燃料由来の水素ガスを原料に、鉄系触媒を使って高温高圧(400~600度、100~200気圧)の条件下で合成が行われるため、大量の二酸化炭素が排出されることが課題だった。

そこで、化石燃料を原料とする水素ガスの代わりとなる、安価で入手容易な水素源を利用して、温和な反応条件下で進行する次世代型アンモニア合成法の開発が望まれている。

東京大学大学院工学系研究科・西林 仁昭教授の研究室では、常温・常圧の穏やかな条件下で、窒素ガスと水やアルコールを使ってアンモニアを合成する触媒法を報告しているが、この方法は、化石燃料から得た水素ガスを使わない点で優れているものの、コストが高く毒性の強い有機溶媒を使用する点が大量生産や実用化における課題となっていた。

今回、その課題を解決するために、ボールミルを用いたメカノケミカル反応を利用した。モリブデン触媒の存在下で常圧の窒素ガスと固体のヨウ化サマリウム(還元剤)、および水やアルコール(固体または液体)を反応させ、高い収率でアンモニアを生成できることを発見した。また、有機溶媒を用いた従来の反応系では全く反応しない不溶性の化合物であるセルロースもアンモニア合成のための反応剤として使用可能となった。

【参考】

記事出所: 『環境ビジネスオンライン』 2024年10月15日 出典

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