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e-メタンの環境価値管理・移転で万博をCN化 大阪ガスが実装へ

CO2NNEXのe-メタン関連機能(出所:大阪ガス)

CO2NNEXのe-メタン関連機能(出所:大阪ガス)

大阪ガス(大阪府大阪市)と三菱重工業(東京都千代田区)は9月25日、水素とCO2から製造したe-methane(e-メタン)の環境価値管理・移転を行う都市ガス業界初のデジタルプラットフォーム「CO2NNEX®(コネックス)」を2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)で実装すると発表した。

各都市ガス事業者が製造した環境価値で万博をCN化

大阪ガスは、大阪・関西万博開催期間中、会場内の迎賓館の厨房などに対して、「会場内で製造するe-メタン」や「e-メタン・バイオガスの環境価値を付与した天然ガス」などを供給することを計画している。同プラットフォームを用いて、会場内のe-メタン製造・利用実証における属性データ(製造量、原料となるCO2量・水素量など)や創出された環境価値を管理するとともに、日本各地の都市ガス事業者が製造したeーメタン・バイオガスの環境価値を、万博会場に供給する大阪ガスの天然ガスに移転することで、大阪・関西万博のカーボンニュートラル化に貢献する。

大阪・関西万博での実装イメージ(出所:大阪ガス)

大阪・関西万博での実装イメージ(出所:大阪ガス)

CO2NNEXについて

「コネックス」は、CCUS(CO2回収・利用・貯留)事業を手がける三菱重工業が、IoT技術とブロックチェーン技術を用いて、CO2流通を可視化し、CCUSを管理するデジタルプラットフォームとして構築したもの。今回、大阪ガスと三菱重工は、2025年日本国際博覧会でコネックスを実装することで合意し、eーメタンの環境価値管理・移転を実施する。

今回実装するコネックスでは、e-メタンの社会実装で必要となるe-メタン属性データの管理機能や、e-メタン・バイオガスが創出する環境価値の管理・移転機能を搭載する予定。なお、このプラットフォームの搭載機能に関しては、一般社団法人 日本ガス協会からアドバイスを受け、実装を進めていくという。

ガス分野でも高まる環境価値の取引・移転システム

ガス分野でも環境価値の取引・移転システム運用の機運が高まっている。

4月1日より、e-メタン・バイオガスの環境価値を証書化するクリーンガス証書の民間運用が開始されており、電力での非化石証書と同様の運用がガスでも進むことから、クリーンガス証書における環境価値の取引・移転を管理するシステムが必要となる。

また、大阪ガスは、供給する都市ガスの1%に相当するe-メタンを2030年に導入することを目指しており、今後、e-メタンや環境価値の取引量は大幅に増加することを想定。e-メタン属性データの管理や環境価値の管理・移転ができる同プラットフォームの利用拡大も見込んでいる。

将来的な適用拡大の可能性も追求

また、このプラットフォームについて、e-メタンでの利用に加え、将来的なカーボンリサイクル燃料(e-fuel・SAF・グリーンLPG)への適用拡大の可能性を追求していく。e-メタン以外のカーボンリサイクル燃料も導入の検討が進んでおり、e-メタンと同様に取引量の増加に伴い属性データの管理や環境価値の管理・移転を行うシステムが必要になると考えられている。

さらに、カーボンリサイクル燃料のようなCCU(CO2の回収・利用)とあわせてCCS(CO2の回収・貯留)も今後実用化が見込まれるため、CO2の流通管理が可能である同プラットフォームの適用拡大について可能性を追求していく。さらに、日本だけでなくe-メタンやSAFの導入を検討するアジア諸国への展開も目指す。

CO2NNEX活用の将来イメージ(出所:大阪ガス)

CO2NNEX活用の将来イメージ(出所:大阪ガス)

記事出所: 『環境ビジネスオンライン』 2024年9月30日 出典

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