
(出所:鹿島建設)
鹿島建設(東京都港区)は6月7日、同社らが開発した環境配慮型コンクリートの算定が世界で初めて実施され、国を通じて国連に報告されたことを明らかにした。
算定対象となったのは、鹿島の製造時CO2固定型コンクリート「CO2-SUICOM」(シーオーツースイコム)、清水建設(東京都中央区)のバイオ炭コンクリート「SUSMICS-C」、大林組(同・港区)のCO2由来材料使用型コンクリート「クリーンクリートN」、大成建設(同・新宿区)のカーボンリサイクル・コンクリート「T-eConcrete/Carbon-Recycle」(ティーイーコンクリートカーボンリサイクル)の3類型(4種類)。
鹿島の環境配慮型コンクリーによるCO2固定量は7.78トン
日本政府は、気候変動に関する国際連合枠組条約やパリ協定、その他関連する締約国会議の決定に基づき、国内におけるGHG排出・吸収量の目録を毎年作成し、公表するとともに国連に提出している。今回、日本建設業連合会などの協力により、科学的な知見やデータなどが整ったため、環境配慮型コンクリートのCO2固定量の算定が可能になった。
2022年度は、国内合計約17トン。このうち、鹿島のCO2-SUICOMのCO2固定量は、舗装ブロック55.6m3で3.614t(1m3当たりのCO2固定量は65kg)、埋設型枠27.8m3で4.17t(1m3当たりのCO2固定量150kg)の合計7.78tだった。

CO2-SUICOM」を使用した舗装ブロック(出所:鹿島建設)
2022年度、日本全体のGHG排出・吸収量は約10.8億トン
環境省が4月に公表した結果によると、2022年度の日本のGHG排出・吸収量は、約10億8500万トン(CO2換算)で過去最低値を達成した。2021年度比で2.3%減少、2013年度比からは22.9%減少と、2050年ネットゼロ実現に向けて順調に推移していると報告している。
政府は今後、環境配慮型コンクリートのJ-クレジット化の検討を進める予定だ。
大成建設は4月12日、鹿島に先駆けて、同社の環境配慮コンクリートによる2022年度実績を公表。「T-eConcrete/Carbon-Recycle」によるCO2固定量は、約2.4トンだったとしている。

ゼネコン各社の環境配慮型コンクリートの概要(出所:環境省)
【参考】