
堆積された廃マットレス(出所:エアウィーヴ)
エアウィーヴ(東京都千代田区)は5月30日、環境配慮型マットレスの普及促進を目的に、 茨城県つくば市および愛知県幸田町と、連携を開始すると発表した。
官民連携で、資源循環型のプロダクトサイクルを構築
粗大ごみに分類されるスプリングタイプのベッドマットレスは、構造が複雑なため、処理に多大な作業負担やコストを要し、多くの自治体が「適正処理困難物」に指定する。
同社は自治体と協業し、各自治体の補助金を活用し、市民や町民が環境配慮型マットレスを購入する費用の一部を補助し、エアウィーヴが使い終えたマットレスの引き取りについて支援などを行う。環境配慮型寝具へのシフトを促進するとともに、マットレス処分時の自治体の負担を軽減する。

従来型スプリング
各自治体との取り組み概要、協業の背景は以下の通り。
茨城県つくば市との取り組み(6月1日より運用開始)
対象となる資源循環型マットレスを購入した市民に、同市が購入費の一部を補助する。使い終えたマットレスの引き取り時に発生する費用を、同社が支援する。
都市開発が進むつくば市は、人口増加率が全国1位(2023年度/総務省調べ)で、今後も転入者が増えることが見込まれる。また、廃スプリングマットレスは年間2,500枚以上が回収されており、外部委託業者による処理が追い付かないという課題を抱える。
愛知県幸田町との取り組み(6月17日より運用開始)
全国のエアウィーヴ取り扱い店舗および公式オンラインストアで、対象となる資源循環型のマットレスを購入した町民に、同町が購入費の一部を補助。使用済みマットレスの回収は同町が担い、回収品のうちエアウィーヴ製品を同社が水平リサイクル(使用済みの寝具を回収して再びマットレスへ製品化)する。
なお2024年度よりSDGs未来都市に選定された同町は、エアウィーヴの創業地として主力の製造・開発拠点が操業している。この協業において、同町のSDGs未来都市としての持続可能な取り組みを加速させていく。

(出所:エアウィーヴ)
リユース・リサイクルできるマットレス
同社の「エアウィーヴ」は分解してカバーと中材「エアファイバー®」に分け洗浄でき、清潔なリユース・リサイクルが可能とされる。パリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会選手村にもマットレスを提供する予定であり、大会終了後はフランスの公共・民間団体(パリ・オペラ座バレエ学校、辻調グループフランス校など)でリユースされることが決まっている。また、同社は、2022年からは水平リサイクルにも取り組んできた。

エアファイバーを洗浄する様子(出所:エアウィーヴ)