東海旅客鉄道(JR東海/愛知県名古屋市)は5月16日、ENEOS(東京都千代田区)、日立製作所(同)とともに、水素動力車両の導入を目的とした水素サプライチェーン構築で協業を開始するとした。
鉄道分野における水素利活用を促進
水素サプライチェーン構築に向けて、各社は以下の取り組みを行う。
- 水素の「つかう」を検討(JR東海):水素動力車両の運行に必要な水素の量や水素充填の頻度・場所、水素搭載方法に関する調査を進める
- 水素の「つくる」「はこぶ」を検討(ENEOS):大規模な水素製造・輸送に関する技術開発や実証を通じて、水素キャリアの特性や既存インフラとの親和性を検討
- 水素の「はこぶ」「つかう」を検討(日立):メチルシクロヘキサン(MCH)から水素を取り出す技術開発や関連する地上設備・車両設備の運用を担う

(出所:東海旅客鉄道)
水素サプライチェーン実現を阻む課題とは
JR東海が目指している水素動力車両の運行には、安定的かつ大量の水素供給が欠かせない。そのため、水素動力車両の開発だけではなく、製造した水素の輸送・貯蔵、車両への充填、搭載・利用といった一連のサプライチェーン構築が求められる。
このうち、水素を輸送し貯蔵する際に用いる水素キャリアの候補には、MCHや液化水素などが挙げられるが、それぞれの特徴や技術的課題を踏まえて、水素キャリアを選択する必要がある。
3社は今後、液化水素やMCHを含むさまざまな水素キャリアを対象に、最適な水素サプライチェーンの在り方を検討していく。
記事出所: 『環境ビジネスオンライン』
2024年5月20日
出典