バイオマス産業都市に新たに2町選定、林地残材や食品廃棄物を活用し産業創出

アヲハタ、MOFで回収したCO2でイチゴを栽培 新モデル構築へ着手

アヲハタ、MOFで回収したCO2でイチゴを栽培 新モデル構築へ着手

イメージ【出所:PIXTA】

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国土交通省は2月14日、海辺の環境改善やカーボンニュートラルの実現につながる、藻場・干潟などブルーインフラの保全・再生・創出に取り組む市民団体や民間団体等を表彰する第1回「全国海の再生・ブルーインフラ賞」の授賞取組が決定したと発表した。

この表彰は、みなと総合研究財団が今年度から新たに創設した賞で、国土交通省が後援している。今回の応募は計18件で、審査委員会で審査が行われ、国土交大臣賞1件、みなと総研賞2件、審査委員会特別賞1件が選定された。

ブル―カーボン創出の起爆剤となるか

国土交通大臣賞には、豊かな海の実現やカーボンニュートラルへの貢献を目的としたブルーインフラの取組を全国に拡大する上で特に模範となる優良事例として、兵庫運河の自然を再生するプロジェクト(実施場所:神戸市兵庫区 兵庫運河)の「兵庫運河の自然を再生する活動」が選ばれた。

このプロジェクトでは、多岐に渡る地元関係者が連携して、「神戸で一番汚かった海」を豊かな里海へ再生する活動に取り組んでいる。人工干潟を活用した藻場を造成し、レッドリスト対象種が15種類以上確認される環境を創出していることや、環境教育に取り組んでいること、育成した藻場によるCO2吸収量が「Jブルークレジット(R)」で認証されていることなどが高く評価された。

(出所:神戸市)

(出所:神戸市)

(出所:神戸市)

(出所:神戸市)

授賞式は、海辺の環境再生に取り組む活動団体の情報共有等を目的に開催される「第18回海の再生全国会議」(主催:みなと総合研究財団、国土交通省)に併せて行われる。

「みなと総研賞」・「審査委員会特別賞」の授賞取組

「みなと総研賞」・「審査委員会特別賞」の授賞取組、授賞理由の概要は以下の通り。

【みなと総研賞】
「はんなん海のゆりかご再生活動」
応募者:阪南市

大阪府下で唯一残された自然の藻場に広がる多様な生物生息場を貴重な財産として、自治体の主導により市民・NPO・企業等が協働して保全・活用、次世代への継承に取り組んでいる。小学校のカリキュラムとして藻場の再生活動等を取り入れていることや、企業との連携・協働によりアマモ場再生活動等の持続可能性を高める工夫がみられること、再生した藻場によるCO2吸収量が「Jブルークレジット(R)」で認証されていることなどが、模範となる優良事例として評価された。

【みなと総研賞】
「アマモ場再生活動~21年の実践~」
応募者:熊本県立芦北高等学校林業科アマモ班

熊本県芦北町芦北湾(計石湾)などで、独自の「芦北高校式アマモ場造成法」を考案し、専門知識を持った高校生がアマモ場再生に取り組んでいる。活動当初から藻場面積が30倍になるなどの効果が確認されていることや、次世代を担う高校生が情報発信に取り組んでいることなどが、藻場の再生活動と青少年の育成の点で模範となる優良事例として評価された。

【審査委員会特別賞】
「日本の美しい自然を次世代に引き継ぐために」
応募者:セブン-イレブン記念財団

全国的な規模で自然を守り、育てる活動を実施し、全国で行われている様々な活動を幅広く支援をしている。ブルーインフラを全国に拡大する国の取り組みを後押しすることにつながっていると評価された。

ブルーインフラはCO2吸収源として注目

藻場や干潟などの海洋生態系に取り込まれた炭素は「ブルーカーボン」と呼ばれる。そうした蓄積作用を有する生態系を「ブルーカーボン生態系」は、CO2吸収源の新しい選択肢として注目されている。

「Jブルークレジット(R)」は、生態系藻場の保全活動等の実施者により創出されたCO2吸収量を、国土交通大臣認可法人であるジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)がクレジットとして認証するもの。

JBEが「Jブルークレジット(R)制度」の試行を2020年度より実施している。国土交通省によると、2022年度はJBEにおいて21件のプロジェクトをクレジット認証、21件の内、8件のプロジェクトにおいて、企業・団体等とのクレジット取引が行われた。

(出所:国交省)

(出所:国交省)

国土交通省は、ブルーカーボンの拡大を進めるため、「命を育むみなとのブルーインフラ拡大プロジェクト」を展開している。このプロジェクトでは、藻場・干潟等と多様な生物の定着を促す港湾構造物(生物共生型港湾構造物)を「ブルーインフラ」と位置付け、全国の海へ拡大するため、市民団体や企業の参加を促進するマッチング支援等を進めている。

【参考】

記事出所: 『環境ビジネスオンライン』 2024年2月20日 出典

バイオマス産業都市に新たに2町選定、林地残材や食品廃棄物を活用し産業創出

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