
イチゴ栽培の様子(出所:アヲハタ)
キューピーグループのアヲハタ(広島県竹原市)は2月14日、広島県独自の研究・実証支援制度「HIROSHIMA CARBON CIRCULAR PROJECT(ひろしまカーボンサーキュラープロジェクト)」に採択された研究テーマ「イチゴ農業生産におけるCO2の回収と活用による生産量の向上」プロジェクトに着手することを発表した。
このプロジェクトは、大気中のCO2を新規多孔性材料MOF(Metal Organic Framework)で回収、イチゴの育成過程に回収したCO2を供給することで、生育を促進し生産量の向上を図るというもの。CO2の回収や固定化を事業とするアンヴァール(静岡県浜松市)およびMOFを活用した事業を展開するSyncMOF(愛知県名古屋市)と連携して実施する。

イチゴ栽培の様子(出所:アヲハタ)
CO2の回収と活用でイチゴの育成を促進
多量のCO2が必要なイチゴの栽培では、従来、石油ストーブが広く使用されており、これによる環境負荷が大きいことが課題となっている。今回、大気中からCO2を回収してビニールハウス内に供給するイチゴ栽培に着手。収穫量の増加とともに、農業の環境負荷を大幅に削減する新しい農業モデルの構築を目指す。
アオハタは、ジャムをはじめ、イチゴを使った商品を数多く製造していることに加えて、CSRの重点課題として「循環型社会への貢献」と「持続可能な原料調達」を掲げており、広島県三次市に果実研究所を設立するなど、CO2削減の課題解決に向け、イチゴの栽培・育種にも取り組んでいる。
今回のプロジェクト連携を通じて、CO2を削減しつつ農産物の生産量を向上する環境に配慮した新たな農業モデルの構築とともに、「循環型社会への貢献」と「持続可能な原料調達」の具現化を進めていくとしている。