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農林水産省は2月28日、林地残材や食品廃棄物、家畜排せつ物など、地域のバイオマスを活用し地域活性化を目指す「バイオマス産業都市」について、新たに「山形県西川町」と「熊本県南小国町」の2町を選定したと発表した。2013年度からの選定地域は、累計で103市町村となった。
農林連携で地域資源循環型の町づくりを推進
今回選定された「山形県西川町」のバイオマス産業都市構想では、地域に豊富に賦存する未利用の森林資源を活用した木質バイオマス発電所の整備や、公共施設への再生可能エネルギーの導入等を主要事業として位置付けている。木質バイオマス事業と次世代型施設園芸事業を連携させながら、地域資源循環型の町づくりを推進するとともに、通年の雇用創出と地域脱炭素化等の実現を目指す。
その経済波及効果として23.9億円、就業誘発人数13人、林地残材未利用・メタン発生の防止による温室効果ガス排出削減量として、年間1632t-CO2を見込んでいる。

山形県西川町のバイオマス産業都市構想(出所:農林水産省)
木質バイオマスや温泉街から出る食品残渣等を活用
「熊本県南小国町」のバイオマス産業都市構想では、町内に豊富に存在する木質バイオマスや温泉街から出る食品残渣等、町内に存在する多様なバイオマスを活用する事業化プロジェクトを策定し実現を目指す。事業化プロジェクトとして、「木質バイオマス燃料安定供給体制構築」、「木質バイオマス利用拡大」、「木質バイオマス発電熱電供給」、「有機系廃棄物バイオマス活用」の4つをあげている。
その経済波及効果として4.48億円、就業誘発人数23人、林地残材未利用・メタン発生の防止による温室効果ガス排出削減量として年間483t-CO2を見込んでいる。

熊本県南小町のバイオマス産業都市構想(出所:農林水産省)
バイオマス産業都市を選定・支援
バイオマス産業都市とは、原料生産から収集・運搬、製造・利用まで、経済性が確保された一貫システムを構築し、地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまち・むらづくりを目指す地域をいう。
バイオマス活用に関する関係府省(内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省)の連携の下、バイオマス産業都市の選定し、構想の内容に応じて、施策の活用、各種制度・規制面での相談・助言などを含めた支援を行っている。

(出所:農林水産省)
【参考】
- 農林水産省-令和5年度バイオマス産業都市の選定結果について