
【出所:筑波大学】
BioPhenolics(茨城県つくば市)は12月19日、独立系ベンチャーキャピタルANRI(東京都港区)が運営するANRI GREEN1号投資事業有限責任組合(ANRI GREEN)より1.5億円のシードラウンドにおける資金調達を実施したと発表した。
調達資金は、つくば研究所開所や研究開発加速に充当
BioPhenolicsは、従来の石油由来の工程ではなく、スマートセル開発技術を用いて非可食バイオマスから芳香族バイオ化学品のバルク生産に取り組んでおり、すでに複数企業と共同研究開発を進めている実績を持つ。
今回調達した資金により、「つくば研究所」(茨城県つくば市東光台)を開所し、芳香族バイオ化学品の量産技術立証のためベンチスケール発酵槽(90リットル)およびダウンストリームの精製設備を導入し、キロ単位のサンプルを提供できる体制を確立する考えだ。
この資金調達を通じて事業開発と研究開発をさらに加速させ、同社技術の社会実装に向けて、大企業との協業を通したベンチスケールでの実証実験や経営人材の獲得を加速させていく。
ANRI General Partner 鮫島 昌弘氏は、今回の投資について、「バイオものづくりは世界で関心が高まっており、大型投資によるユニコーン企業も輩出される一方、海外の大手プレイヤーを見ても、大量生産を達成できていないのが現状。(投資対象であるBioPhenolicsの)貫井CEOが有する量産経験と高谷教授の技術シーズを組み合わせることで、量産化の壁を突破できる可能性を信じて投資した」とコメントした。

【出所:筑波大学】
BioPhenolicsは、微生物の芳香族代謝研究と社会実装に向けた研究を20年以上続けている筑波大学の高谷教授と、大手化学メーカーやバイオスタートアップでの量産化の成功経験があるCEO 貫井氏によって2023年に設立された。