
「省エネルギー技術戦略2016」における14の重要技術分野は優先採択される
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新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2月5日、新たな省エネ技術の開発・研究を支援する「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」の2018年度第1回公募を開始した。公募期間は3月13日まで。同公募の説明会は全国7カ所で開催する。
同公募事業は、現行の「省エネルギー技術戦略」に掲げる、14の重要技術を中心に、高い省エネルギー効果が見込まれる技術開発を支援するものだ。また、重要技術のうち、適用範囲が広く横断的な取り組みが期待される「次世代型ヒートポンプシステム」、「パワーエレクトロニクス」などについては、「特定技術開発課題」を設定して積極的に支援する。
「3つの開発段階」「事業者連携」に支援する2つのスキーム
同公募事業では「基本スキーム」と「テーマ設定型事業者連携スキーム」の2つが設定されている。「基本スキーム」は、「実用化開発・実証開発の事前研究」「3年以内に製品化を目指す実用化開発」「速やかに製品化を目指す実証開発」の3つの技術開発フェーズを設けている。開発リスクや開発段階は開発技術ごとに異なるためだ。
「テーマ設定型事業者連携スキーム」は、2017年度より新たに設定した枠組み。このスキームでは、複数の事業者が相互に連携・協力して取り組むべきテーマ(技術開発課題)を設定し、3年以内に製品化を目指す事業を対象としている。企業(団体などを含む)・大学などが応募できる。
また、対象となる技術開発課題は、情報提供依頼(RFI/Request for Information)を行うほか、資源エネルギー庁から政策的に必要があるとして別途指示があったものについて設定する。今回は、「『高効率熱利用・ネットワーク技術』に関する革新的な技術開発」など4テーマを公募の対象としている。
事業の概要は以下の通り。
基本スキーム

3段階のフェーズで支援内容が変わる
インキュベーション研究開発フェーズ
対象は課題解決への具体的手法や事業化の見通しの明確化を図るなど、開発・導入シナリオの策定等を行う研究開発。実用化開発・実証開発の事前研究との位置づけであるため、単独での応募は不可。技術開発費上限(NEDO助成費+実施者負担分・助成率・事業期間)は1件あたり2000万円/年。助成率は2/3以内、事業期間2年以内。
実用化開発フェーズ
すでに企業や大学等が有している技術やノウハウをベースとして、省エネルギーに資する応用・転用を図る技術開発。開発終了後原則として3年以内に製品化を目指す実用化開発が対象。技術開発費上限は1件あたり3億円/年、助成率は2/3または1/2以内、事業期間3年以内。他のフェーズと組み合わせる場合は、事業期間1年でも可。3年の場合、2年終了時に審査を行い、継続可否を判断する。
実証開発フェーズ
事業化を阻害している要因の克服や、より着実な事業化を実現する一助となる実証データを取得するなどの技術開発。開発終了後、原則として速やかに製品化を目指すこと。技術開発費上限は1件あたり10億円/年。助成率は1/2または1/3以内、事業期間3年以内。他のフェーズと組み合わせる場合は、事業期間1年でも可。3年の場合、2年終了時に審査を行い、継続可否を判断する。
テーマ設定型事業者連携スキーム
「重要技術」で、業界の共通課題や異業種にまたがる課題の解決につなげる革新的な技術開発や新技術に関する統一的な評価手法の開発など。複数の事業者が相互に連携・協力して取り組むべきテーマ(技術開発課題)を設定し、技術開発の実施とその成果の着実な普及によって省エネルギーを実現するもの。開発終了後、原則として3年以内に製品化を目指す事業が対象。
技術開発費上限(NEDO助成費+実施者負担分)は1件あたり5億円/年、助成率は2/3以内、事業期間5年以内。4年以上の場合、3年終了時に審査を行い、継続可否を判断する。公募の対象となる技術開発課題は下記の通り。
- 「高効率熱利用・ネットワーク技術」に関する革新的な技術開発
- 「省エネ型部素材製造プロセス」に関する革新的な技術開発
- 「物流機能効率化」に関する革新的な技術開発
- 「エネルギーマネジメントシステム」、「IoT」、「統合制御技術」に関する革新的な技術開発
※具体例・該当する重要技術はNEDOのウェブサイトを参照のこと
全国7か所で公募説明会
公募説明会は、2月7日(水)に名古屋市、2月9日(金)に川崎市、2月13日(火)に大阪市、2月14日(水)に仙台市、金沢市、2月15日(木)に、広島市、福岡市で開催する。
公募説明会では、応募する際の提案書類の記載方法や注意事項などを説明する。また、希望者には、説明会終了後、個別の説明や相談に応じる。説明会への出席しなくても、事業への応募は可能。公募手続きを確認したい人に、説明会への出席をすすめている。
なお同公募事業は、2018年度の政府予算に基いて行うため、予算案の審議状況や政府方針の変更などにより、公募の内容・採択後の実施計画・概算払の時期などを変更する場合がある。
【参考】