
ローソン(東京都品川区)は1月19日、断熱性の高い国産杉のCLT(直交集成板)を店舗の構造や内装に使用した、木造の環境配慮モデル店舗「ローソン館林木戸町店」(群馬県館林市)をオープンした。
この店舗では、CLTを使用し、建物の断熱性能を向上させることで、空調設備の負担を軽減させ、省エネ・省CO2化を実現する。このほか、最新の省エネ施策や太陽光発電設備による創エネ施策を導入することで、外部調達する電力量を2016年度の標準的な店舗対比で約6割削減する見込みだ。
同社によると、CLTを使用した店舗はコンビニエンスストアでは初めて。この店舗での実証実験を通じ、今後、他の店舗でのCLT活用の可能性を検討していく。
CLTとは
CLT(Cross Laminated Timber:直交集成板)は、厚みのある木板を木目が直交するように複数層重ね、接着剤で張り合わせた木質建築材料をいう。強度が高く、断熱性に優れている。建築物の省エネ・省CO2化や、新たな木材需要の創出が期待されることから、国もCLTの普及を目指している。
電気使用量と店舗建設時のCO2排出量を削減
この店舗では、店舗の構造や内装に、国産杉を使ったCLTをはじめ、国産木材を使用(約62立方メートル/店)することで、建築断熱性能を向上させ、電気使用量の削減による省エネと、店舗建設時のCO2排出量の削減を目指している。店舗建築時のCO2排出量は、標準店対比で約1.9トン-CO2/店削減できるという。
IoT化された店舗設備で節電制御・需給調整
また、もうひとつの特徴として、IoT化された店舗設備の導入により、電力ピーク時の節電制御・需給調整の実現をあげる。これは、店内の要冷ケースやエアコン、LED照明、蓄電池、ウルトラエコアイス(要冷機器の蓄熱槽)をIoT化し、外部から自動で節電制御することで、電力の需給調整を行うものだ。夜間に蓄熱した冷熱を冷蔵ケースの冷却に使用し、畜エネ・創エネを実現する、ウルトラエコアイスもコンビニエンスストアで初めて導入するとしている。
ローソンは、2008年より、最新の省エネ施策と創エネ設備を導入し、実験・検証を行う、環境に配慮した店舗をオープンしている。これまでの実験検証で得られたノウハウをもとに、「LED照明」「CO2冷媒冷凍冷蔵機」「太陽光発電設備」の新規・既存の店舗への導入を進めている。