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2018年度のZEB実証事業、採択された36事業が公開 3件が「ZEB」に

環境共創イニシアチブ(SII/東京都中央区)は、12月4日に東京で開催され、12月6日に大阪で開催される「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証事業 調査発表会2018」の当日発表資料をウェブサイトで公開した。

SIIは、経済産業省と環境省が連携して実施する、建築物のZEB化を支援する補助事業「ZEB実証事業」を執行している。この調査発表会は、今後のZEB普及の一助となることを目的に、SIIが「ZEB実証事業」を調査分析した結果や、先進的なZEB実証事例、ZEBプランナーによるZEB普及に向けた取り組みなどを広く共有するため開催するものだ。

エネルギー基本計画においては、2020年までに新築公共建築物等で、2030年までに新築建築物の平均でZEBの実現を目指すことが掲げられている。ZEB実証事業において経済産業省は、延床面積2,000平方メートル以上の民間建築物を対象(経産省ZEB)に、環境省は、地方公共団体等の建築物、延床面積2,000平方メートル未満の民間建築物を対象(環境省ZEB)に補助事業を行っている。

2018年度、ZEB(100%以上省エネ)が3件

SIIによるZEB実証事業の主な調査結果は以下の通り。

SIIは、ZEBや省エネ建築物を設計するための自社の技術等を活用し、ZEB実現に向けた相談窓口の設置や業務支援を行うものを「ZEBプランナー」と定め、公募している。2018年10月26日時点の登録ZEBプランナーは累計127件。全体の46%にあたる58社がZEBプランニング実績を有している。

また、SIIは自らのZEBの普及目標・導入計画・導入実績を一般に公表する先導的建築物のオーナーを「ZEBリーディング・オーナー」と定め、2018年4月より公募している。2018年10月26日時点のZEBリーディング・オーナー登録事例は171件(68オーナー)。

2018年度ZEB実証事業の交付決定件数は36件(経産省ZEB19件、環境省ZEB17件)。この交付決定事業の建物用途は事務所が半数を、規模は2,000~10,000平方メートルが半数を占める。また、工事種別で新築が約8割占める。

各事業のZEB達成度は、「ZEB」(正味で100%以上省エネ)が3件、「Nearly ZEB」(正味で75%以上省エネ)が6件、「ZEB Ready」(50%以上省エネ)が27件。「ZEB」3件はいずれも2,000平方メートル未満の建物だった。

このほか、建物用途や設備区分ごとの平均一次エネルギー消費原単位、設計一次エネルギー消費原単位と創エネルギー量、一次エネルギー消費削減量あたりの補助対象経費の推移などをまとめている。

また、ウェブプログラムでは評価されてないが、実際には省エネ効果が期待できるシステムを導入した事例として、「気化式冷却」「越屋根による自然換気+太陽光パネルによる日射遮蔽」「井水熱利用」「ヒートポンプ給湯機」について紹介している。

2019年度のZEB実証事業応募の参考に

この調査発表会の基調講演では、経済産業省と環境省がそれぞれZEB実証事業の趣旨や概要、取り組み状況などについて説明。

経済産業省によると、ZEB実証事業の申請数は増加傾向にあり、累計で135件のZEB実証事業が採択されている。また、交付決定件数が多い地域では、ZEBの技術的知見を有する事業者による活動が活発化している。

環境省は、地方公共団体施設のZEB事例や、2018年度採択者の導入設備、削減率などを紹介している。両省によるZEB実証事業は2019年度も概算要求で予算が措置されている。

この資料には、ZEB実証事業に関連する様々な分析結果や事例が紹介されている。2019年度ZEB事業に応募を検討している事業者等は、一読しておきたい。

             
記事出所: 『環境ビジネスオンライン』 2018年12月05日 出典

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