パナソニック系、地熱発電由来オフサイトPPA導入 CO2年間2.2万t減

環境負荷が低い鉄道、だけど課題も JR西日本GX戦略室長が解説

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地球温暖化に伴う気候変動の影響が年々増加しているなか、毎日の通勤・通学や出張、観光などで利用されている交通機関においても、2050年カーボンニュートラル実現は避けては通れない目標です。

鉄道業界における脱炭素・GXに関する取り組みを紹介します(今回は後編)。

前編は「【気候危機に鉄道が重要な理由 JR西日本GX戦略室長が解説】

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環境負荷が低い鉄道がカーボンニュートラルに取り組む必要性

輸送量当たりのCO2排出量が少なく、環境負荷の低い鉄道ですが、電車の運転には大量の電力が必要です。

図1にJR西日本における電力使用量を示しますが、運転用電力として年間29.6億kWh(2023年度)と一般家庭約76万世帯分に相当する電力1)を消費しています。

図1 JR西日本における電力使用量の推移(2002年度~2023年度) 出典:「データで見るJR西日本2024」p133より

図1 JR西日本における電力使用量の推移(2002年度~2023年度) 出典:「データで見るJR西日本2024」p133より

消費している電力のなかには、火力発電などのCO2を排出する化石燃料由来の電力も含まれていることから、消費する電力のCO2排出量削減の取り組みが必要です。

また、JR西日本管内の約3割2)を占める非電化路線を走行する気動車は化石燃料の軽油でディーゼルエンジンを駆動して走行しており、これらのCO2排出量削減も課題です。

公共交通機関、とりわけ鉄道の利用を促進し、運輸部門全体のCO2排出量を削減するためには、鉄道においても、省エネルギーの推進による電力消費量の削減や、再生可能エネルギー由来の電力の利用などにより、CO2排出量削減の取り組みが重要といえます。

画像はイメージです(出典:PIXTA)

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鉄道のカーボンニュートラルに向けた国の政策の動向

2023年5月に国土交通省「鉄道分野におけるカーボンニュートラル加速化検討会」がとりまとめた「鉄道分野のカーボンニュートラルが目指すべき姿」3)では、わが国全体のCO2排出量を削減していくためには、公共交通機関の利用を増やし、特に、輸送量当たりのCO2排出量が少なく環境優位性が発揮できる鉄道の利用を増やしていくことが重要とされています。

そして、鉄道事業に係るCO2排出量の削減を行う「鉄道の脱炭素」、鉄道アセットを活用した地域のCO2排出量の削減に貢献する「鉄道による脱炭素」、鉄道の利用促進により運輸部門としてのCO2排出量の削減を行う「鉄道が支える脱炭素」の3つの柱を掲げ、鉄道が我が国のカーボンニュートラルを支えることが期待されています。

このように鉄道がカーボンニュートラルに果たす役割は、単に鉄道のCO2排出量削減にとどまらず、運輸部門全体、地域のCO2排出量削減にも貢献する大きなものがあります。

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1):環境省「令和5年度家庭部門の CO2排出実態統計調査結果について(速報値)」(令和6年10月 https://www.env.go.jp/content/000261322.pdf)表1の世帯当たりの年間エネルギー消費量(3,911kWh)から算出
2):「データでみるJR西日本2024」p57キロ程およびp133電化キロ(2023年度)より算出
3):国土交通省「鉄道分野のカーボンニュートラルが目指すべき姿」
(https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001611767.pdf)

記事出所: 『環境ビジネスオンライン』 2025年4月14日出典

パナソニック系、地熱発電由来オフサイトPPA導入 CO2年間2.2万t減