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高速道路初、CO2回収技術と環境配慮型コンクリを実証へ NEXCO中日本

画像はイメージです

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中日本高速道(NEXCO中日本/愛知県名古屋市)は7月31日、高速道路初の脱炭素の取り組みとして、CO2回収技術の共同研究に着手するとともに、環境配慮型コンクリートを導入すると発表した。

CO2回収技術の共同研究では、茨城大学カーボンリサイクルエネルギー研究センター「CRERC」(茨城県日立市)と、CO2回収技術(湿度スイング法)を高速道路で実用化するため、高速道路トンネル内で実証実験を行う。

環境配慮型コンクリートの導入では、7月に高速道路で初めて、環境配慮型コンクリートを用いて防護柵を施工した。環境配慮型コンクリートの施工方法、求める性能の照査方法、適用範囲について検証し、導入促進を図る。

CO2をフィルターで吸着後、水を用いてCO2を回収

CRERCでは、茨城大学の研究チームと行政や民間企業、研究機関などが連携して、大気中のCO2を回収・合成・利用するカーボンリサイクル技術の研究開発と社会実装に向けて取り組んでいる。

湿度スイング法によるCO2回収技術は、大気中のCO2をフィルターで吸着後、水を用いて脱離して回収するもの。エネルギー効率がよい新しい手法だという。湿度スイング法によるCO2回収技術は実構造物での実証例がないことから、高速道路で技術開発を行う。

CO2を効率よく回収するためには、常時一定方向に風がある環境が望ましいことから、換気による風の流れがある高速道路トンネルを対象とする。トンネル内にCO2を吸着させるフィルターのほか、CO2脱離のための給水設備、水とCO2を分離して回収する設備を構築し、低エネルギーで効率的にCO2を回収する実証実験を行う。

CO2回収技術(湿度スイング法)の実証実験イメージ(出所:NEXCO中日本)

CO2回収技術(湿度スイング法)の実証実験イメージ(出所:NEXCO中日本)

設計・施工管理要領に基づき施工

NEXCO中日本は、2024年7月に、環境配慮型コンクリートを用いてE8北陸自動車道阿久和川橋(上り線)のコンクリート製防護柵を施工した。施行者は前田建設工業(前田建設工業)。橋長は25.0mでコンクリート量は約203。13当たりのCO2排出削減率は約65%削減。

CO2を分離して回収する設備を構築し、低エネルギーで効率的にCO2を回収する実証実験を行う。

環境配慮型コンクリート打設状況(阿久和川橋)(出所:NEXCO中日本)

環境配慮型コンクリート打設状況(阿久和川橋)(出所:NEXCO中日本)

環境負荷低減効果(出所:NEXCO中日本)

環境負荷低減効果(出所:NEXCO中日本)

NEXCO中日本は、2022年3月に公式WEBサイトで環境配慮型コンクリートの情報を広く募集した。提供があった23社38製品の技術情報や土木学会の指針などを参考に、学識経験者、環境配慮型コンクリートの開発者からなる「環境配慮型コンクリートの適用に関する技術検討会」を設置し、求める性能や適用範囲などについて取りまとめ、2023年11月に、「環境配慮型コンクリート設計・施工管理要領(低炭素型コンクリート編)」を制定した。同要領に基づき、環境配慮型コンクリートを用いた防護柵を施工した。

環境配慮型コンクリートとは

コンクリートの材料であるポルトランドセメント(セメント)は、製造過程でCO2が大量に排出されており、その量はコンクリート1m3あたり約270~300kgと言われている。そのセメントの一部を、製鉄所や石炭火力発電所から排出される高炉スラグやフライアッシュなど別の材料(産業副産物)に置き換えた混合セメントを使用することで、CO2排出量を削減できる。

なお、NEXCO中日本では、従来のコンクリートと比較してCO2排出削減率が40%以上のものを、環境配慮型コンクリート(低炭素型コンクリート)と定義している。

記事出所: 『環境ビジネスオンライン』 2024年8月5日 出典

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