NBC長崎放送製作
『蛍光灯が2027年に消える!?温かく照らしてくれた蛍光灯にさよならの理由』

『蛍光灯が2027年に消える!?温かく照らしてくれた蛍光灯にさよならの理由』

『蛍光灯が2027年に消える!?温かく照らしてくれた蛍光灯にさよならの理由』について解説 Youtube

目次

【目次】
1.2027年に蛍光灯が製造・輸出入が禁止になる背景
2.段階的に製造終了が進む種類とスケジュール感について
3.蛍光灯の生産終了に対しての町の人達の反応について
4.なかなか進まないLED化率~LEDにするか?蛍光灯を備蓄購入するか?分かれる見方
 

1.2027年に蛍光灯が製造・輸出入が禁止になる背景

「蛍光灯2027年問題」をご存知でしょうか?
2027年末を持って「蛍光灯」の製造と輸出入が、ある環境問題を理由に禁止されることに伴う問題です。
生活を温かく照らしてきた「蛍光灯」との別れ、その理由と影響について詳細情報です。
蛍光灯の製造と輸出入が2027年末で禁止されます。 その後も蛍光灯を使用し続けることはできますが、在庫がなくなり次第、交換用の蛍光灯が入手ができなくなるという問題です。
何故、製造や輸出入が禁止になるのでしょうか?
蛍光灯には、水俣病の原因物質ともなった「水銀」が微量ですが使われています。
この水銀による健康被害や環境汚染を防ぐために水銀の使用や排出を規制する 国際的な規制が導入されたためです。
2017年に発効された「水銀に関する水俣条約」で電池や体温計などの水銀含有製品の製造や輸出入が原則禁止となりました。
蛍光灯の一部は規制対象外でしたが、去年11月の水俣条約第5回締約国会議で、全ての一般照明用蛍光灯の製造や輸出入を段階的に禁止することが決まりました。
いつ禁止になる?種類ごとに違います。

2.段階的に製造終了が進む種類とスケジュール感について

「段階的に」とのことですが、どのような段階で禁止されていくのでしょうか。
蛍光灯の種類は大きく分けて「直管形」「環形」「コンパクト形」「電球形」がありますが「コンパクト形」「電球形」…2026年末まで 「直管形」「環形」(三波長系)…
2027年末に製造・輸出入が禁止されることが合意されています。

2027年末までに全ての蛍光灯の製造や輸出入ができなくなるんですね。

3.蛍光灯の生産終了に対しての町の人達の反応について

どれくらいの人が蛍光灯を使っているのか、街の声を聞きました。
80代「2027年?いや聞いてない。いまだに蛍光灯ですけど。 今のところまだ必要に迫られないと(LEDに)しないですね。」
60代「LEDです。電気代が安いし、長持ちするから。」60代「リビングはLEDですね。あーどっちでもいいです。灯がつけば」
30代「(蛍光灯とLEDは)半分半分。もし改装するなら全部LEDに交換しようかなーって。」
60代「LEDです。電気代が安いし、長持ちするから。」私はマンション暮らしなので、LEDですが・・・

4.なかなか進まないLED化率~LEDにするか?蛍光灯を備蓄購入するか?分かれる見方

LED化はなかなか進んでいません。日本照明工業会などが去年8月に、全国1万人を対象に照明に関するアンケート調査をしたところ、 家庭の照明のLED化率は52.8%でした。照明器具を交換しない理由として、
「今使っている器具で問題ないから」…39%
「壊れていないから」…38%
「値段が高いから」…21%

壊れるまで使うという意識も、LED化が進まない理由の1つになっているようです。
電気店に増える依頼 4カ月で100件以上蛍光灯からLEDにするためには、 接続器具がLEDに対応していなければ工事が必要ですよね?
長崎市にある電気店には、LEDに関する相談や依頼が増えているそうです。
長崎市にある電気店「安心電気」には、 照明をLEDに変えるための相談がおよそ4か月で100件以上寄せられています。この日は、蛍光灯の器具をLED用に交換するための工事の依頼を受けました。
「こんにちは。お願いします。お世話になります。」
長崎市の池田さんの住宅では、一部屋だけが長年、蛍光灯のままでした。
池田克博さん
「愛着があったっていうか。 この部屋がおふくろの部屋だったんで、おふくろがずっと居る時に使っていた蛍光灯をどうしても残していてあげたいなっていうのがあったんですよ。 ただし物(蛍光灯の製造が)できないから。LEDにしないと。」
工事はおよそ15分で終了。池田さん宅は、全ての部屋がLEDになりました。
池田克博さん
「明るいですね。環境問題とか、あと電気代も安くなりますからね。」
池田絹代さん
「2027年っていってもすぐ来ますからね。もう早くした方がいいかなと思って。」

電気料金の節約にもつながるとして、「安心電気」ではLEDへの交換を勧めています。
安心電気 岡村諭拓店長:
「蛍光灯よりもLEDの方が電気がもつ寿命が長いと言われていまして、また消費電力というところで、電気代も抑えられる。先々を見据えた場合にLEDに 交換した方がメリットは大きいかなという風に思います。」

蛍光灯は「値上がり中」80%~130% 蛍光灯の製造や輸出入が禁止されると、価格にも影響してくるんでしょうか?
蛍光灯は販売数量が減って、蛍光灯1本あたりの製造コストが上がっていることに加え、原材料価格・物流コストの上昇などが重なり、軒並み値上がりしています。
現在蛍光灯を製造しているパナソニックは、去年10月、一般色の直管蛍光灯を凡そ80%値上げしています。

東芝ライテックも、去年10月から一般色の直管蛍光灯をおよそ90%値上げし、 ホタルクスでは、今月から直管・環形の蛍光灯などをおよそ130%値上げしています。

LEDは価格が高いという印象がありましたけど、その後の電気代等を考えると、導入のタイミングを考える時期なのかもしれませんね。

日本照明工業会によりますと、2023年度のLED化率は59.5%で、2030年度までにLED化率100%を目指して普及活動を続けています。
LEDを身近に感じてもらおうと今月から新しい取り組みを始めました。
LEDを導入した場合のメリットを知ってもらおうと、日本照明工業会が立ち上げたWEBサイトです。
家の電灯をすべてLEDに変えると消費電力がどれくらい減って、節約・省エネに繋がるのかが試算できます。

日本照明工業会企画部 森川直紀部長:
「簡単にシミュレーションで家についている照明器具をLEDにかえると『どんなお得があるか?』省エネや電気代が下がるというメリットを簡単に見てもらえるように作っています。 生活が新しくなる、豊かになることも体感いただいてぜひLED化を進めていただければと思います。」
これは蛍光灯?見分け方は「F」「EF」実際に入力してみましたが、 いくら節約になるのかなどが数値で表示されるのでわかりやすいです。

ところで家の照明が、蛍光灯かLEDかが分からないという場合はどうしたらよいのでしょうか?
【平】
品番で確認できます。
経済産業省によると製品本体に付された品番が「F」と「EF」で始まるものが蛍光灯です。
これ以外にも、「EX」または「三波長」と記載されているものもあります。
ただし水銀使用量が多く先行して禁止された「ハロリン酸系蛍光灯」には品番の記載がないものもあります。
さらに海外製品の場合、品番の表記が異なることもあります。
LEDについては、国内統一規格がなく各社ばらばらの表記です(「F」で始まるLEDもあるので注意!)。
分からない場合はメーカーに問い合わせてほしいと経済産業省は呼びかけています。
また、照明器具の適正交換時期はおよそ10年で、15年を過ぎると故障率が高まりますので、なるべく早い時期にLEDに交換することを、日本照明工業会では勧めています。
【住】
最近は色々なLEDが出てきていますから、検討してみてもいいかもしれませんね。
LEDの光は直進性が強く、照明の真下は明るくても電球が向いていない方向は暗くなってしまうといったことや熱に弱いといったデメリットが指摘されていますが、メリットとしては、 消費電力が少ない、寿命が蛍光灯よりも約40倍長い、チラつかない、発熱しない、調光・調色機能を備えたものも多く、ライフスタイルに合わせた調整ができる、 紫外線を出さないため虫が寄り付きにくいといったことが言われています。
また、法人や個人事業主については、LED化が対象となる補助金や助成金の制度もあります。
この「蛍光灯2027年問題」をきっかけに、各ご家庭や職場のLED化をどう計画的に進めていくのかを考えてみても良いかもしれません。

※本記事はNBC長崎放送様が2024年7月に製作したテレビ番組の文字起こしの要約です。
 記事出元:NBC長崎放送様

蛍光灯製造終了

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